体力とミトコンドリア
- ai
- 2022年4月26日
- 読了時間: 6分
更新日:2022年4月28日

ヨガだけではダメでした。。
「40代になってから体力が落ちた気がする」「特に今までと生活スタイルも食べる量も変わってないのに、なんだか体が冷える」と感じた事はありませんか?
まさに私がそうです。
「加齢に伴い筋肉量が落ちるから」という事は知っていたにですが、とはいえヨガはレッスンの仕事を含めると週に4、5日はしているし、そんなに筋肉量も減ったとも思えない。。と思って調べていくと、そのカギは「ミトコンドリア」にありました。
30代後半以降の健康作りに欠かせないミトコンドリアの事を見ていきましょう。
1.ミトコンドリアってなに?

生物の授業で一度は見たことがあるのではないでしょうか?「ミトコンドリア」とは真核細胞の中にある小器官の一つ。つまり体内の各細胞の中で働いている器官です。
動物・植物はもちろん菌類まで、ほとんど全ての地球上の生物がミトコンドリアを持っています。
ではミトコンドリアは何をしているのでしょうか?
24時間、発電しています
ミトコンドリアは、酸素を用いて糖(グルコース)や脂肪(脂肪酸)を分解し、ATP(アデノシン三リン酸)という物質に変えます。このATP は筋肉や臓器が働くためのエネルギー源となります。骨格筋(いわゆる筋肉)は寝ている時はある程度休みますが、内蔵はずっと働いているのでミトコンドリアも24時間営業です。(ちなみに内臓も「不随意筋」と呼ばれる筋肉です)
このことからミトコンドリアは「細胞のエネルギー工場」ATPは「生体のエネルギー通貨」と呼ばれる事が多いです。
そのATPを生産する工場のミトコンドリアが沢山ある、そしてミトコンドリアの体積が大きいことは、それだけATPをたくさん生産できるという事。
エネルギー源であるATPが多いと、それを使って動く筋肉細胞は長時間疲れることなく動き続ける事が出来る、つまり持久力の向上=体力の向上です。
そしてこのミトコンドリアは30代後半から、何もしなければ減っていくのです。。
ひとくちトリビア
ミトコンドリアの起源は好気性細菌*で、真核細胞の前身となる細胞に寄生・共生進化を経て現在の形に落ち着いたと考えられている。[リン・マーギュリス 細胞内共生説 1967年]
大きくなったり小さくなったり分裂したりと、まるで細菌のようなのも納得。
*好気性細菌=生存に酸素が必要な細菌 *真核細胞=核膜で囲まれた明確な核を持つ細胞
2.ミトコンドリアを増やすにはどうしたらいいの?
「定期的な有酸素運動」「ややきつめの筋トレ」「きついと感じる運動を長時間続ける」「有酸素運動と筋トレを平行して行う」
と、調べていくと何通りかの方法が出てきましたが、おそらくどれも正解です。
ここからは私の体感と意見ですが、30代後半からの方には「有酸素運動と筋トレを平行して行う」「ご自身の生活の中で足りない動きをプラスする」
がいいと思います。
例えば幼稚園への送迎で一日合計30分は歩いている(早歩きで)
ウォーキングは毎日している
という方は少しきつめの筋トレをプラスすればOK。逆の方は有酸素運動をプラス。
ヨガをしている私は後者にあたりました。
ちなみに、いずれの場合も継続することが肝心です。週三日で二週間もすればミトコンドリアは増えてきますが、さぼると一か月もしないうちに元の体積に戻ってしまうとも言われます。
3.ヨガは有酸素運動?無酸素運動?

これに関しては「ヨガは有酸素運動」という記述をよく目にします。ですが私は「やや筋トレ寄り(無酸素運動)」と考えています。
もちろん強度やヨガのスタイルによって変わります。簡単に言うと「(軽く)ゼーハー言うか」です。
クラス名でいうと「ハタヨガ」などのいわゆるベーシックなヨガや「骨盤調整」「美姿勢」などのクラスのヨガは「ストレッチと筋トレ」のカテゴリーに入ると思います。
有酸素運動と位置づけてもいいんじゃないかな?と思うのは「ヴィンヤサヨガ」「フロー」と名の付くヨガや「アシュタンガヨガ」だと思います。その根拠は心拍数です。
*ヨガもそうなのですが、多くのスポーツは有酸素運動と無酸素運動の両方の要素を持ちます。「ヨガは無酸素と言うなら有酸素の要素はない」ではありません。比率の問題です。
4.ヨガだけじゃダメ、、その心は
ずばり、心拍数です。(ここからは私の経験と体感です)
ヨガだけでは心拍数が十分に上がらないのです。
実際にスリヤナマスカラA×5回、B×3回を行った後に心拍数を計ってみました。
82回/分 でした。
平常時は67回/分です。
その日の体調や条件によって心拍数も変わるので一概には言えませんが、多く見積もっても90~100回/分です。A×5、B×3にかかる時間は10~15分ぐらい。そこからそのままスリヤナマスカラを続けるのであれば心拍数は上昇していくのかもしれませんが、そのままアシュタンガヨガのスタイルで練習をするのであれば、心拍数に関してはこの後の心拍数上昇は期待できません。
なのでミトコンドリアを増やす観点から言うと、ヨガの練習だけではなく、有酸素運動をプラスする必要があります。
5.有酸素運動とは

有酸素運動とは
酸素を使って糖と脂肪を分解し、エネルギーを得て筋肉を動かす運動。
軽~中程度の運動を、長時間・継続的に続ける運動の総称です。
軽く息が上がる運動を継続する運動。例えば水泳、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどです。
以前は「最低20~30分以上連続で動き続けないと脂肪燃焼効果はありませんよー」とか言われていた時代もありましたが、今は「10分ずつなど、細切れでも良いので、一日合計30分を目標に」となっています。
有酸素運動の目安となる心拍数は下記の計算式で求めます。 (カルボーネン方式)
目標心拍数=(最大心拍数*-安静時心拍数)×目標係数(%)+安静時心拍数
*最大心拍数=220-年齢 *目標係数=40~60%
例)年齢44歳 安静時脈拍68拍/分
(220-44-68)×0.4~0.6+68=111~132拍/分
なので111~132拍/分を目指して有酸素運動をしていきます。
1分間じっとして計測する必要はなく、たまに立ち止まって10秒計測×6で目安に出来ます。
腕時計型の計測器をお持ちの方は、それでOK。
もう少し簡単に
(220-年齢)×0.4~0.6
で求める事も出来ますが、上記のカルボーネン式の方が個人差を考慮出来る計算式です。
6.まとめ
運動において「これだけで完璧!」という事は、やはり無いように思います。
筋トレも有酸素運動もストレッチも、バランスよく行ってこそ不調なく、健康的な身体を保てます。
ヨガのレッスンを初めて9年。健康維持のためにレッスンに参加される方が多いです。ですのでご参加いただいた方には最大限の効果を感じていただきたく、日々試行錯誤しています。可能ならばヨガだけでパーフェクト!を目指していましたが、有酸素運動をプラスした方がいい!というのが、2022年4月現在の私の考えです。
バランスが大事。食生活もヨガ哲学勉強も。
そのことについては、また触れていきたいと思います。
レッスン情報・タイ古式マッサージ施術はHPへ!
https://www.yoga-refreshment.com/
参照サイト
e-ヘルスネット
日経ヘルスUP
5-ALA研究会
東洋経済
wired
生物物理学会
コニカミノルタ陸上部
グリコ
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